竜王戦でちょっと質問
http://live.shogi.or.jp/ryuou/
昨日の竜王戦なんですが
羽生が投了した局面で渡辺の王が詰まないのは分かるんですが
なぜここで投了なんですか?
7三にと金あるし羽生も入玉出来そうに見えるんですが。
点数計算になれば勝てないということですか?
|||
そのとおりです。羽生玉に詰みななく、入玉できる可能性もありますが、持将棋の点数計算では足りず、いずれにしても先手が勝つ見込みはありません。
竜王戦中継ページでも下記のように説明されています。
渡辺 1勝を返す
第21期竜王戦7番勝負第4局は19時21分、136手で渡辺竜王が勝ち、対戦成績を1勝3敗としました。持ち時間各8時間のうち、残りは両者1分。第5局は12月4、5の両日に和歌山県西牟婁郡「むさし」で行われます。
投了図では、後手の玉が寄らず入玉が確定的。大駒1枚の先手は、駒数が足りないので持将棋の望みもありません。追い込まれた渡辺竜王がギリギリのしのぎを見せて逃げ切りました。「執念の勝利ですね」との声が聞かれました。
http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2008/11/post-d968.html
>投了図では、後手の玉が寄らず入玉が確定的。大駒1枚の先手は、駒数が足りないので持将棋の望みもありません。
追記:
ご質問主様のご指摘のように先手も後手の駒もたくさん取れますので、下記のように先後で細かく点数計算をしてみました。
投了図でのそれぞれの点数
先手:17(小駒)+ 5(大駒)= 22点
後手:17(小駒)+15(大駒)= 32点
このうち盤上でまず助からない駒と取れる駒を加えて計算します。
先手は9八香、8七歩、7八歩、4八歩、2八金、1九香、1六歩はまず助かりません。
後手は1一香、3二金、2三歩、3四歩、5三歩、6三歩はまず助かりません。
これらを加えて計算すると下記のようになります。
先手:22 - 7 + 6 = 21点
後手:32 - 6 + 7 = 33点
これだけでもこの点数差がありますが、それに加えて、盤上の駒が相手陣まで移動するまでにかかる手数が先手と後手で段違いに差があります。
上記の助からない駒を除いた、盤上の助かる見込みのある駒の数はそれぞれ下記のようになります。
先手:8枚(大駒を除く)
後手:2枚(大駒を除く)
これらの駒が相手陣まで移動するのにかかる手数はそれぞれ下記のとおりとなります(駒の交換はないものと仮定する)。
先手:22~25手
後手:5手
手数でも先後で20手近くの差があります。後手は点数の大部分が持駒で取られる心配がないのに対して、先手陣はこの手数の間にいくつ駒をとられるかわかりません。
ということで、羽生名人はこれらのことも考慮して、持将棋の見込みなしと判断され、投了されたのだと思います。
|||
先手が駒を取られないで後手の駒を2枚取るのは不可能だと判断したんで先手は投了したんだと思います。
で、実際見てみると・・・
後手陣の4段目までにある8枚すべてとれたとしても(これでとりあえず30点)、1六歩、1九香、2八金、4八歩、7八歩、8七歩は助かりそうにありません。そして6筋・7筋のにある金銀のうち1枚は犠牲になりそうです。これで点数は足らなくなります。
例えば入玉をしようと8六玉とすると8九角以下ごっそり駒を取られそうです。
4一に飛車を成り込んでも9五香と王手で逃げられて逆に1枚取られてしまいます。
まあ、詰ましに行って詰みがなかったのだから仕方が無い。というのが羽生挑戦者の本音じゃないでしょうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿