将棋でストップウォッチを使っているところは見たことがないのですが、外見はチェスクロックと同じものを使っているのですか?
それともストップウォッチを使う対局はTVでは公開しないような場合に使用し、50m走を計るようなものを先手後手2つ使っているのでしょうか?
チェスクロックは秒をカウントし、ストップウォッチでは秒はカウントされないというのはいまいち分からないです…
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将棋で時間を計るストップウォッチは、
早い話「その辺の時計店で売っているものと大差ない」です。
→陸上競技(50m走など)で使うものと解釈してもらって構いません。
名人戦や竜王戦の中継で稀にストップウォッチが映りますが、
見た感じ「特殊な機能を備えている」ようなものには見えませんでしたので。
…ただ、1手で1時間以上考慮することもあるため、
「1時間過ぎるとループして0に戻る」ものは使えません。
計時開始時に「スタート」し、
何か指したら「ストップ」→「リセット」→「スタート」(相手の計時開始)
を繰り返す。なので「対局に使うのは1つ」。
ただ、万一の事態(電池切れなど)に備えて予備は用意されていると思います。
順番が前後しますが、持ち時間のシステムによって変わります。
「チェスクロックを使う場合」…
持ち時間を使い切るまではチェスクロックが計時します。
通常はアナログ時計を使用しますが、
「銀河戦」と「女流王将戦」は特注仕様?のデジタル式を使っています
(どちらも主催者が「サテライトカルチャージャパン」なので)。
チェスクロックの場合は1秒単位までカウントされます
(一応0.99秒とかならカウントされないけど…)。
そして「チェスクロックの時計で持ち時間が0になった瞬間から
ストップウォッチを使って秒読み」が行われます。
デジタルの対局時計には秒読みをやってくれるものもありますが、
プロの対局では記録係が秒読みします
(電子音が耳障りだから?)。
「チェスクロックを使わない場合」…
「初手からストップウォッチで計時」。指し手を指された時に時計を止め、
表示された時間から秒の単位を切り捨てた数字がその手の消費時間となる。
例えば「7分22秒」だったら「7分消費」となり、
次の手は「7分00秒」から計時を始める。
ちなみに「1分以上考えてから投了した」場合も
投了するまでの時間が考慮時間としてとカウントされます。
こちらは持ち時間が0になったら「時間切れ負け」。
なので持ち時間1分の時点で1手60秒未満の秒読み。
ぶっちゃけた言い方をすれば記録係が「○秒」とか言わないだけで、
「初手から秒読みをしている」ようなものなのです。
記録用紙には消費時間の欄があり、
「その手の消費時間/累計消費時間」
が記入されるようになっています(1分未満だったら未記入)。
タイトル戦の中継ブログなどでその対局の「記録用紙」を見ることが可能です。
↓は先日の王位戦挑戦者決定戦の記録用紙。
http://kifulog.shogi.or.jp/oui/2011/06/post-71c6.html
最終手の「-」は前述の「1分以上考えてから投了した」を意味します。
業界用語ではこの横線のことを「残念棒」と言うんだとか。
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最新のチェスクロック(対局時計)について。
プロ仕様の対局時計には、60秒未満を切り捨てる機能がついたものがあります。(定価25000円)
日本棋院での、一般的な公式手合で使用しているタイプです。
持ち時間は積算で減ってくるのですが、たとえば5分から秒読みに設定すれば、それ以降は60秒未満切捨てです。
(1回から99回まで設定できます)
ちゃんと「日本語音声モード」というものが装備されています。(ブザーモードもあります)
要するに、NHK杯での秒読みと同じように読み上げをやってくれるものです。
これは、なかなか良いですよ。
最後の1分は使い切ると時間切れ負けになります。
「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、時間切れです」まで言ってくれます。
日本棋院の対局の場合、大部屋での対局には、基本的には記録係りがつかないので、このような時計の開発が必要だったのです。
もちろん、リーグ戦・本戦トーナメント・挑戦手合には記録係りがつきます。
その他、元タイトルホルダーには記録係りがつきます。
参考。将棋連盟の対局には、すべて記録係りがつきます。(両方が、女流やアマであっても、公式戦ならばすべて)
この対局時計は、NHK杯・銀河戦・流星戦のような「1分ごとの考慮時間」も、0回から99回まで設定できます。
対局時計を使用した場合も、途中の消費時間は棋譜用紙に記録します。
記録の仕方は累積ですので、正確さには欠けますが、その手までの累計消費時間を1分単位で記入する方式が一般的です。
こうしておけば、どの手に長考したかが、後で分かります。
女流棋戦は、ほぼすべてこの方式です。
<追伸>
対局時計を使用した場合も、途中の消費時間は棋譜用紙に記録します。
実際に手書きした棋譜を見れば分かります。
観戦記には、この手には、おおよそ何分考慮した、というような記述があるのは、棋譜用紙に、記録係りが、「累積の消費時間が何分である。そしてこの手にはおおよそ何分考慮した」ことを記入しているからです。
実際の棋譜原本も公開されておりますので、それをご覧になられると、簡単に理解されると思います。
女流棋戦での、対局時計使用時の、一般的な記入法。
7六歩「消費 /通計 」、8四歩「消費1/通計1」
6八銀「消費2/通計2」、3四歩「消費5/通計6」
6六歩「消費5/通計7」、6二銀「消費3/通計9」
5六歩「消費1/通計8」、5四歩「消費 /通計 」
着手が完了したとき、まず指し手と累計時間(「通計」と書いてあります)を分単位で記入します。
「消費」はそのあとで計算して記入しています。
1分が過ぎていない場合は無記入です。
棋譜用紙には、振り駒の結果や、昼食休憩・夕食休憩にかかった考慮時間のうち休憩前の考慮時間を書くことも義務付けられています。
追記。
→但し将棋界で、そのような時計は採用されてないですよね?
奨励会で、音声秒読み付きアナログ対局時計が使われています。
→銀河戦は、あつらえ(?)の放送用デジタル表示時計。その他は、アナログ時計が使用されているはずです。
そのとおりです。
全体的に、ちょっと本来の質問の趣旨からはずれてしまったかもしれません。
ご容赦ください。
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>将棋でストップウォッチを使っているところは見たことがない
テレビ棋戦のNHK杯や銀河戦でも使っています。
記憶があやふやですが、よく見ていると見える場合もあると思います。
ストップウォッチのボタンを押す、カチカチ音は毎回入ってるはずです。
タイトル戦の中継や3月に中継されるA級順位戦の画面でも確認できるはずです。
>先手後手2つ使っているのでしょうか?
使うのは、一つ。
一方が指すと、
ストップボタン -> リセットボタン -> スタートボタン
と順番に押します。
>チェスクロックは秒をカウントし、ストップウォッチでは秒はカウントされない
>というのはいまいち分からないです…
多くのプロの対局は、チェスクロックを用いません。
持ち時間を使い切ったら、その時点で負けとなります。
但し、1分以下の消費時間は切り捨てとなります。
6時間の持ち時間の対局があったとします。
今まで5時間使い(残り60分)、次の一手に10分40秒考えたとします。
このとき棋譜には、40秒を切り捨てて、消費時間として「10分」が記録されます。(残り50分)
6時間を使い切ると負けなので、棋譜には通常、消費時間として「5時間59分」以上の時間が記録される事はありません。
もちろん最後の1分を使い切った場合は別だと思いますが....。
これに対し、チェスクロックを使用する場合(TV棋戦や一部の女流棋戦など)は、持ち時間を使い切った時点で、秒読み(30秒・1分)が始まります。(このときストップウォッチが初めて使われ出します)
チェスクロックの構造上、ボタンを押すことによって「端数の時間を切り捨てる」ということは不能なため、1分40秒考えたとしたら、その時間すべてが持ち時間から差し引かれます。
チェスクロックを使用した場合、途中の消費時間が記録されるということはありません。
<追伸>
他の方の指摘
>対局時計を使用した場合も、途中の消費時間は棋譜用紙に記録します。
とのことですが、実際の棋譜を見たことがないので、そうなのかもしれません。
新聞・雑誌・棋書などの印刷物で棋譜が使用される場合、一般棋戦には、指し手に消費時間が記載されています。
が、チェスクロック使用棋戦の棋譜に、消費時間が記載された記憶はありません。(今手元にある平成20年度将棋年鑑はそのようになってます。NHK杯の考慮時間10分の消費回数はよく見ます。)
もしかしたら、消費時間の記入は、慣例的に行われていて、正式記録としては扱われていないのかも知れません。
>プロ仕様の対局時計には、60秒未満を切り捨てる機能がついたものがあります。
やはり、そういう時計が開発されていたのですね。知りませんでした。
但し将棋界で、そのような時計は採用されてないですよね?
銀河戦は、あつらえ(?)の放送用デジタル表示時計。その他は、アナログ時計が使用されているはずです。
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